女性筋疾患患者の皆さん、貴女は一人ではありません。
一人だと思って孤独を感じていませんか? 私たちもそうでした。
一人で悩みを抱えずに、ざっくばらんに色んなことを話せる場所がほしいという思いで、この会は生まれました。
com-pass(コンパス)は女性だけの気楽で気軽な温かな場所です。
com-passの活動
女性筋疾患の患者さんたちが、一人で迷うことなく、一緒に方向を見つけられる 「羅針盤(英語でcompass)」 のような役割の会を目指しています。
英単語 compass の語源は、com-「ともに」、-pass「歩く」 です。
また、compass には、「(目的を)達する,成就する、十分に理解する」 といった意味もあります。
患者ならではの悩みなどを共有してお互いに理解しつつ、コンパスで輪を描くように、みんなでつながっていきたいです。
主に、会員限定の掲示板を使って、情報共有をしています。
女性に限定することで、気兼ねなく、女性特有の悩みも相談できるようにしました。
運営者
共同代表:野上奈津、西岡奈緒子
顧問:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 病院 神経内科 森まどか医師
代表より
1962年、東京都杉並区生まれ。
私が「西岡奈緒子」と出会うことがなければ、この会がここまで発展することはなかったと思います。
2007年の「NHK障害福祉賞」で入賞した私は、その作品を「ドキュメンタリー」番組にして頂き、そのゲストとして「ハートをつなごう」(NHK教育)に出演させて頂きました。
そして。翌年。
2008年の受賞者が「筋ジストロフィーの女性である」ことから、その年の「障害福祉賞」のゲストコメンテーターとして出演することになります。
その番組収録で出会ったのが、西岡奈緒子でした。
彼女は、私が生まれて初めて出会う、同病の女性。
その衝撃は、自分で想像するより遥かに大きかったのです。
「車椅子の女性筋ジストロフィー患者」の方と出会ったことがショックでした。
私自身が、もしかしたら一番「障害者」という人たちに偏見を持っているのではないか…と感じた瞬間です。
私が告知を受けたのは15歳の時。
その頃、世の中に「インターネット」などというものは存在せず、専門の医師からは「どうせ治る病気じゃないんだから、そうしょっちゅう来なくていいんだよ」と突き放されたような言い方しかされない時代でした。
最初に受診した医師の言葉によって、私は決して「筋ジストロフィー」の情報を耳に入れないようにしてきました。
神経内科では、高名であるという医師の言葉。
「将来はいつか寝たきりになるでしょう」
15歳で告知を受けたその日から、私は「いつまで自分の足で歩くことができるの?」という不安感に常に抱くようになります。
「寝たきりになる日がいつ来るのか、そんなことは知りたくない」
私は筋ジストロフィーを封印したつもりでいました。それは頑なとも言えるほどに。
けれど、封印など出来るはずもありません。
ふと。
「世の中に、私以外の筋ジストロフィーの女性は居るの?」と考えました。
そして「女性限定の会を作ってはどうだろう」という思いが、心にぼんやりと浮かびます。そうだ、会を立ち上げてみよう。
でも、どうやって?具体的な方法は?
そんな時に出合ったのが、西岡奈緒子です。
彼女との出会いに、衝撃を受けたはずの私なのに、今ではこの出会いは必然だったと感じています。
「会を一緒にやってみない?」と聞いた時、とても輝いた笑顔を見せてくれました。
彼女も、そういった会を立ち上げることを考えたことがあると言いました。
「会を立ち上げたい二人」。なので、「com-pass 女性筋疾患患者の会」は「共同主宰」という形で運営しています。
「私は一人ぼっち」…誰にも理解されることのない、同病の友達はどこにも居ない。
将来のこと、恐いけれど、ちょっとでも「皆」が集まれる場所があれば、私も飛び込めるかもしれない。
今では「com-pass」に勇気づけられ、生きる力を与えてもらっているのは…やはり、私自身なのだと思います。
会のモットーである「敷居が高くなく、誰でも気軽に集まれる場所」。
その「私たちの居場所」を作りたいのです。
本当にお気軽に♪
覗いて頂くだけでも、貴女の一歩になるかもしれません。
ゆっくり、のんびり…焦らずに。
一緒に歩いて行きましょう。
1980年生まれ。
私は幼いころに筋ジストロフィー(肢帯型)と診断されましたが、18歳で初めて自分の病名を知りました。
当時はまだインターネットがあまり普及していなくて、検索しても得られる情報はわずかでした。
ことあるごとに自分の病名を検索して、一人、二人とインターネットを通じて患者さんと出会い、「自分は一人ではなかった!」と感じることができました。この出会いが与えてくれた力はとても大きかったです。
その後、自分でも情報発信をするようになって、同じ病気の患者さんから連絡をもらうようになりました。もっと、患者同士がつながることのできる場があればいいのに・・・と感じていました。
自分の病気を伝えられれば・・・と思い、2008年にNHK障害福祉賞に応募したところ、受賞。NHKの番組に出演する機会をいただきました。
そこで出会ったのが、共同代表の野上奈津です。インターネット上で、何人かの患者さんと交流していて、会ったこともありましたが、女性の患者さんに会って、話をするのは初めてでした。その後連絡を取り合うようになり、話は尽きませんでした。
一緒に何かできないかな、と何度も話をするうちに生まれたのが「com-pass 女性筋疾患患者の会」です。
患者さんが、「一人ではない」と感じられる場所の提供をしていきたいです。
会から、一番力をもらっているのは私自身かもしれません。
これから、どんな楽しいことをしていこうか、とワクワクしています。
西岡奈緒子HP|LGMD~Let’s Go! My Dream♪
イメージイラスト ー春想いー
茨城県在住。5歳のとき、進行性筋ジストロフィーの診断を受ける。
18歳のとき、パステルで 絵を描くことにめぐりあい、車椅子のイラストレーターとして、茨城県内を中心に、個展、絵本の出版、都内でのライブなど、活動と人の輪を広げている。